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keco001

「あの頃はよかった」って?
それはお前が止まっとるんじゃ。  吉野 寿

スポーツと武道の最大の違いは、スポーツは過去の結果が大きく評価され、武道はこの瞬間が問われるという所です。
道スポーツとしての空道家としての評価は、何年に王者になった、や、何回王者になった!という点でしょう。
優勝が決まった瞬間、優勝カップを手にした瞬間を切り取った1シーンが、その人のアスリートとしての絶頂期であり、評価されるべきシーンです。
それは何年経っても色褪せる事はありません。
これは他競技における「○○秒で走った!」や「××kgを挙げた!」と同じく、記録として残る結果です。
しかし、人は永遠には王者ではいられません。年齢やケガ、病気、家庭環境や仕事の状況で、どんな偉大な王者であっても王者から陥落するか、試合から退くかして、試合場から姿を消します。

道家としての真価が問われるのは、その後です。

試合に出なくなったので、稽古はせず、腹が出て、歩くのも息絶え絶え・・・が許されないのが武道家です。
「10年前は日本チャンピオンだった」
と言っても、目の前の高校生にぼっこぼこにされていたら、道場生は尊敬もしてくれませんし、襲い来るトラブルに対処できなければそれは武道ではなく、ただのスポーツです。

というか、審査受けたりとか、受験したりとか、下からぐいぐい来る後輩とか・・・弱くなったらいかんでしょう。

後輩にばっちーん!って蹴られて「先輩、大丈夫ですか?(笑)」なんて言われたら気が狂う程悔しいでしょうし、審査ではかつて試合して勝ったり負けたりした連中が「ここでもう一回ぶっ飛ばす!」って勢いで襲いかかってきます。

敵は道場の内外にいるのです。

そんな中で武道家としてのプライドとアイデンティティを保つには強くあらねばいけません。

これは武道論とか格闘技論とか難しい話ではなく、ただただプライドの話です。

先日の支部長審査で塾長が言われていた通り、空道はリアルに強くてなんぼの武道です。
故に後輩は先輩に加減をしてはいけないのです。
かるーく蹴ったりしたら、それが案外強く蹴るよりも相手を傷つける事もあったり・・・?

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