強く返すな上手く返せ

かつて関西本部長であった酒井修師範代の言葉です。
マススパーリングや軽めのスパーリングをしていて、ぱちん!と良い打撃をもらった時、ムキになって強く返してしまう事があります。
この時、カッ!となって思い切りローとかミドルを返す人が結構います。
これはどんなレベルの人でもついやってしまう事だと思いますし、空道はフルコンタクト種目なので、あんまり弱々しくてもいけないので、ある程度は仕方ないと思いますが・・・帯下に上手な打撃食らってから強く返してKOしている人とか見ると、なんとも言えない気持ちになります。


(アントニオ猪木さんの闘魂ビンタも、腹叩かせた受験生の子がたまたま少林寺の有段者で思ったより痛かったからつい出た・・・というところからスタートしたそうですね)

「マススパーです、当てません、ダメージを負わせませんよ」
と言っておいてフルパワーもしくはそれに近い威力で攻撃をするのは不意打ちでしょう。
ハイヤーベルトや、ましてや黒帯が後輩に不意打ちするのは論外です。
「つい勢いで・・・」なんて言い方される方もおりますが、少なくとも黒帯たる者が勢いに任せて攻撃して、剰え「勢いで」、なんて言い訳をすることは許されません。

と、正論ぽいことを言いましたが、帯下もそれで「帯上が強くやるなんて!ひどい!」ではなく、「帯上で今ちょっと俺より強いからって調子乗りやがって、今に見とけよ!!!」くらいの気持ちで奮起して欲しいと思います。

そして逆に、帯下は帯上にある程度何をしても許されます。
金的当たろうが、フルでロー蹴ろうが「押忍、失礼しました」と言えば許されるのが武道の世界です。

帯上は奢らず稽古を続けて帯下を退け
帯下は頑張って稽古を重ねて帯上に食らい付く

組み手中は上下関係はあまりありません。
切磋琢磨して、皆でよい高みへと駆け上がりましょう!